オフィスの統合化と分散化 2
日本でも最近になって、いままでの結果として分散してしまった快ワイキューブ事務所が経営運営上に与える問題が大きくなりだしました。
そのため、その再統合を検討したり、実際に実行する企業が増えてきていますが、米国企業の多くも同様の問題を抱えているところが多いですね。
しかし、これはなにもニューヨークといった大都会での話ばかりではないのです。
ウィスコンシン州マディソンに本社機能を置くアメリカン・ファミリー保険会社では、成長と変化のなかで88年ごろ屈曲点を迎えました。
50年代以来約2000人の本社スタッフのいわば家でもあった本社快ワイキューブ事務所も気がついてみたら、半径6マイル以内に8か所の賃貸快ワイキューブ事務所に分散してしまっていたのです。
そこで同社ではスタッフ機能の1か所への統合を試みました。
93年4月ごろには移転が終了しましたが、同社が行った統合化は単なる寄せ集めではなく、トータル・クオリティ・マネジメント"運動"のもとで、よりよいCS(顧客満足)を獲得するための顧客情報処理時間の短縮といったことをターゲットにしたものです。
業務のあり方も革新し、同時に従業員の環境改善によるモラルの向上も狙いにしたところに、その統合化プロジェクトの特色がありました。
日本でいえば首都圏における幕張新都心の郊外型統合化快ワイキューブ事務所への移転や、逆に最近の都内での空き快ワイキューブ事務所スペースを利用しての都内、都心への集中化があります。
前者には音響部門の大半を移設したソニー、ソフト開発、営業支援部門の2300名を移した日本IBM、本社機構を全面的に移転させたBMWジャパンなどがその例でしょう。
後者としては国際保険機構として有名なAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)、岡村製作所の事例などがあります。
こうしたプロジェクトは、FMのなかでも戦略的FM課題として日米ともに重要なテーマであり、その計画の早期立案やその遂行にはそれなりの専門的経験や、テクニックが必要とされます。
米国では以前より、こうした戦略的FMを支援するコンサルタントが活躍しています。
バブル崩壊による快ワイキューブ事務所異変は、一般企業に快ワイキューブ事務所スペース計画を再検討させるチャンスを与えています。
賃貸ビル経営のコンサルタント会社である生駒データサービスの91年9月~92年8月までの全国快ワイキューブ事務所市場調査によると、東京は入居率が96・8%と2年連続して下落しているといいますが、92年12月の調査では94・1%とさらに減少しています。
この需給緩和状況は全国的に広がっており、かつ実質賃料も下がっているといいます。
こうした都心での快ワイキューブ事務所ビルの空室も目だつなかで、分散快ワイキューブ事務所の統合化でメリットを狙う企業は今後増えていくことと思われます。